災害時の助産協定を印西市と締結2024/02/02
<条約締結式の際の院長のあいさつ文>
2023年1月17日
御礼のご挨拶
2024年1月17日「災害時等における助産を必要とする者の受け入れ協定書」の締結式の場を提供して頂きました、印西市長板倉様および印西市役所の職員の皆様に御礼を申し上げます。また福祉避難所の開設後の、産後のサポートを担当して頂くことになりました千葉県助産師会の皆様にも、心より御礼を申し上げます。特に印西市総務部防災課危機管理室、健康こども部健康増進課および子育て支援課、福祉部社会福祉課の皆様におかれましては、2017年以降幾多の会議に参加して頂き、私どもの要望に対して真摯に耳を傾けて頂きました。新型コロナ感染症の感染拡大のため2年間中断しましたが、2022年より話し合いを再開し、本日の締結式を迎えましたことは大変喜ばしく、感謝致しております。
私ども「医療法人社団愛弘会 みらいウィメンズクリニック」は2011年12月に開院いたしました。同年の3月11日に東日本大震災が発災したため、予定より2か月遅れの開院でした。この大震災では死者約2万人、行方不明者約2500人の人的被害と、全半壊40万棟以上の住宅被害がありました。千葉県においても死者・行方不明者24名、全半壊1万棟以上の被害が出ております。また福島第一原子力発電所事故による放射性物質のホットスポットの問題が発生し、大変不安な中で診療をスタートしたことを覚えております。幸いにも日本はその後着実な復興を遂げ、当院におきましても2024年1月15日現在で7550人の分娩を担当できました事は、地域の皆様のお力添えの賜物と思っております。
2024年1月1日16時10分、能登半島で巨大地震が発災しました。多数の人的被害、住宅、インフラの被害が出ております。産科を担当するものとしては、高齢者や妊婦など配慮が必要な人たちの受け入れを行う「福祉避難所」の開設がどのようになっているか、報道に注視しておりましたところ、1月8日から金沢市体育館での受け入れが開始されたとの情報が最初のようです。発災から1週間経過しての開設であったようです。福祉避難所は、避難所に入所している方々の代表より開設の依頼が行政になされた段階から準備が始まるため、発災からのタイムラグが生じます。本日の「災害時等における助産を必要とする者の受け入れ協定書」におきまして、医療を担当する側から行政に対して福祉避難所の開設が依頼できるようになりました。また避難先も医療現場から直接2次避難所となるホテルへの避難となっております。さらに2次避難先のホテルにおいては千葉県助産師会のご協力により分娩後のサポートが付くことになりました。迅速で切れ目のない福祉避難所の開設と手厚い看護が付与される今回の協定書は非常に画期的な事であり、印西市民の福祉と公衆衛生に大きく貢献するものと思われます。
今回の能登半島地震に限らず、東日本大震災以降、2016年4月の熊本地震、2018年9月の北海道胆振東部地震などの巨大地震、2019年9月・10月の台風15号・19号、などの風水害が発生しております。そして、今後は首都直下型地震や東南海地震などの発災が危惧されています。私どもみらいウィメンズクリニックは、困難な状況下においても平常の業務が継続できるように日々精進してまいります。そしてこの度の「災害時等における助産を必要とする者の受け入れ協定書」の締結のもとに、印西市に住まわれる妊婦の皆様に、災害時であっても安全で安心な医療を提供できるよう努力する所存です。本日はこのような機会を設けて頂き誠にありがとうございました。職員を代表し、ご挨拶の言葉とさせて頂きます。
◆「災害時等における助産を必要とする者の受入れ協定」を締結しました
(印西市ホームページへのリンク)