プレコンセプションケア(妊娠前からのケア)

 プレコンセプションケア(Preconception care:PCC)とは、プレ(pre)は「~より前の」、コンセプション(Conception)は「妊娠・受胎」のことで、「妊娠前からのケア」を意味します。
 プレコンセプションケアの基本概念は、ヘルスリテラシー(Health literacy)の向上です。リテラシー( literacy)は「知識・技能」を意味し、正確な健康情報を入手し、それらを理解・評価し活用するための知識、意欲、能力のことです。ヘルスリテラシーを向上させることによって、日常生活における病気の予防や健康管理を行い、生涯を通じ良好な生活を維持することができます。
 すなわちプレコンセプションケアとは、若い世代(女性と夫・パートナー)のためのヘルスケアであり、現在のからだの状態を把握し、将来の妊娠やからだの変化に備えて、健康に関する正しい知識や習慣を身につけることです。女性だけではなく、夫・パートナーも含めて取り組むことが何よりも重要です。プレコンセプションケアによって、妊娠前の女性やパートナーの健康状態が改善され、安全で安心な妊娠・出産が可能となり、結婚・妊娠・出産・子育て・仕事を含めた将来の人生設計を描けるようになります。さらに将来の子どもたちの長期的な健康増進にも貢献し、最終的に健康寿命の延長が期待されます。まだ妊娠を考えていない方にも、将来のために自分自身の体調を管理し、健康な生活習慣を身につけることはより良い人生を過ごすことにつながっていきます。
具体的なプレコンセプションケアとして、しておきたい検査や準備について5つの項目に分けて説明します。

 
【Ⅰ】バランスの良い食事と運動により、適正な体重を維持
A.食事と栄養 B.やせ C.肥満 D.貧血 E.骨粗鬆症

【Ⅱ】慢性疾患の評価と改善
F.糖尿病 G.甲状腺機能障害 H.高血圧症 I.気管支喘息 J.腎臓病 K.膠原病・抗リン脂質抗体症候群 L.くすり

【Ⅲ】定期的な健康診断の受診
M.婦人科・子宮頸がん N.乳房チェック O.ウイルス感染症

【Ⅳ】ライフスタイルの評価と改善
P.基礎体温表 Q.こころ R.運動 S.パートナー

【Ⅴ】禁煙とアルコール摂取を節制
T.たばこ U.アルコール 

 

【Ⅰ】バランスの良い食事と運動により、適正な体重を維持


A. 食事と栄養
 お母さんのからだの栄養状態は、子宮内環境と密接に関係しています。妊娠準備のために、栄養状態を整えておくことがとても大切です。
 妊娠を考えたその日から、葉酸の摂取を始めましょう。葉酸とはビタミンB群の一種で、活発な細胞分裂が行われる妊娠初期の赤ちゃんの正常な発達に欠かせないビタミンです。妊娠初期に起こる先天異常の中でも頻度の多い神経管閉鎖障害は、妊娠前から葉酸を摂取することで50~70%防止できる事が明らかになっています。厚生労働省は「妊娠を考えている女性は、妊娠の1カ月以上前から妊娠3カ月までの期間は食事に加えて1日400μgの葉酸をサプリメントで摂取すること」を推奨しています。葉酸はほうれん草や枝豆、ブロッコリーなど緑色の濃い野菜、海苔、大豆製品に多く含まれています。葉酸以外にも、たんぱく質、鉄、カルシウム、ビタミンDをバランスよく摂取しましょう。
 「バランスの良い食事」とは、エネルギー及び栄養素が適量含まれている食事を指します。厚生労働省は年齢・性別ごとに基準を設けており、これが「日本人の食事摂取基準」と呼ばれるものです。主食・主菜・副菜を揃える「一汁三菜」でこのバランスが整いやすくなります。特に、主菜と呼ばれるたんぱく質はからだを構成する栄養素であるため、毎食欠かさないようにしましょう。
 鉄は、月経血による損失を補い、妊娠中の需要増大に備えるために、妊娠前から充分な摂取が必要です。カルシウムは、赤ちゃんの骨を作るために大切な栄養素です。ビタミンDは、腸からのカルシウム吸収を促進して骨を強くしたり、免疫力を高める効果が期待できます。日頃からビタミンDの多い食品を意識的に摂ることで免疫力アップにつながります。子宮内膜の環境を整えてくれる働きもあるため、妊娠を希望する人は積極的に摂りたい栄養素のひとつです。鮭や干しシイタケなどに多く含まれていますが、食べ物から摂る以外にも紫外線を浴びることで体内に合成されます。適度な日光浴を心がけると良いでしょう。

 
B. やせ
 やせとは、BMI[body mass index 体重(kg)/身長(m)²]が18.5未満と定義されています。女性のからだは、脳の視床下部から分泌されるホルモン(ゴナドトロピン放出ホルモン)によって支配され、卵胞の発育や成熟、排卵などの月経周期が正常に営まれています。過度なダイエットによる体重減少は、このホルモンの分泌が低下するために無月経や月経異常を引き起こし、不妊の原因になるといわれています。妊娠を考えたら、適正BMI(18.5~24.9)を目指しましょう。妊娠前のやせは、切迫早産や早産、低体重出生児が生まれるリスクが高くなることが知られています。
 お母さんの栄養状態は、赤ちゃんの体格にも影響します。妊娠前の慢性的な栄養不足、そして妊娠中お母さんが低栄養であると、生まれてくる赤ちゃんが将来生活習慣病になるリスクにつながるといわれています。赤ちゃんがおなかの中で低栄養、発育不全の状態にあると、限られた栄養素を効率的に利用できるよう、からだに栄養を溜め込む方向へ遺伝子が発現されます。この遺伝子は生まれた後も機能するため、脂肪がつきやすい体質になってしまいます。このような遺伝要因に、生まれた後の食生活などの環境要因が加わると、糖尿病や高血圧などの生活習慣病や、肥満を発症する可能性が高くなると報告されています。

 
C. 肥満
 肥満とは、BMI[body mass index 体重(kg)/身長(m)²]が25以上と定義されています。肥満が関係する月経異常に、多のう胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome:PCOS)があります。視床下部から分泌されるホルモン(ゴナドトロピン放出ホルモン)の異常がみられ、黄体化ホルモン(luteinizing hormone:LH)が高値を示すことが1つの特徴です。また月経異常に加え、インスリン抵抗性が高まり血中インスリン量が増加している場合があります。肥満を伴う多のう胞性卵巣症候群は、減量が第一選択です。やせと同様に、妊娠を考えたら適正BMI(25以下)を目指しましょう。
 肥満女性は、妊娠による生理的なインスリン抵抗性の増大により、妊娠糖尿病を発症しやすくなり、妊娠高血圧症候群などの合併症のリスクが高まります。また死産や神経管閉鎖障害など先天異常のリスクも高くなることが報告されています。

 
D. 貧血
 鉄は、ヘモグロビン(赤血球)の材料として、私たちのからだに酸素を運ぶ重要な働きをしています。ヘモグロビンによって運ばれる酸素と栄養素によって細胞はエネルギーを生み出します。そのため鉄が不足すると、疲れやすくなる、頭痛、動悸、息切れ、眩暈、立ちくらみ、などの全身症状や、脱毛、爪がもろくなる、目の下のクマやくすみも貧血の症状として知られています。また、女性は月経による出血でも鉄が失われます。
 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」によると、成人女性の1日に必要な鉄の量は10.5㎎といわれています。妊娠すると必要量が増大し、妊娠初期でプラス2.5㎎、中期・後期にはプラス9.5㎎と妊娠前の約2倍の鉄が必要となります。妊娠するとお母さんのからだの貯蔵鉄は大きく減少し、貧血が加速しやすくなります。そのため妊娠前から貧血にならないからだ作りが大切です。
 鉄には動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類あり、吸収率はヘム鉄25%、非ヘム鉄2~5%、と大きな違いがあります。ヘム鉄はレバーや牛肉、青魚などに多く含まれています。また「造血ビタミン」と呼ばれるビタミンB12も主に動物性食品に含まれているため、動物性たんぱく質を積極的にとることで貧血予防につながります。非ヘム鉄は、切り干し大根、ほうれん草などに多く含まれています。たんぱく質やビタミンCと一緒に摂ると吸収率を高めることが可能です。

 
E. 骨粗鬆症
 古い骨が壊されることを骨吸収、新しい骨がつくられることを骨形成といい、この骨吸収と骨形成がバランスよく行われることで健康な骨がつくられます。骨密度が著しく低下すると、骨粗鬆症と診断され骨折のリスクが高まります。一般的には高齢者の病気といわれていますが、妊娠・授乳中はお母さんから赤ちゃんへカルシウムが供給されるため、これらに伴う一時的な骨粗鬆症があります。また、女性ホルモンであるエストロゲンには骨吸収を抑制する働きがあり、閉経後だけでなく、産後月経が停止している間はエストロゲン分泌の低下により骨密度低下を招きやすくなります。このため骨密度が一時的に減少しますが、授乳を終えしばらくすると元に戻るといわれています。しかし、過去に無理なダイエットを行ったり、偏った食生活を行っていると、骨密度は低下してしまいます。このような女性が、産後授乳を行うと、元々骨がもろくなっている状態に追い打ちをかけることとなり、産後骨粗鬆症を招く恐れがあります。妊娠を考えたら、一度骨密度検査を受け今のご自分の骨の状態を知っていただくことをお勧めします。
 カルシウムは乳製品や大豆製品、小魚などに多く含まれています。カルシウムには理想の摂取比率があり、カルシウム:マグネシウム(2:1)が望ましいとされています。カルシウムだけでなく、マグネシウムも多く含む干しエビやしらすなどの小魚も積極的に摂るようにすると良いでしょう。

 

【Ⅱ】慢性疾患の評価と改善


F. 糖尿病
 糖尿病がある方は、妊娠前に十分に血糖を管理した上で計画的に妊娠することが望ましいとされています。糖尿病で増加するブドウ糖やケトン体は催奇形因子と考えられています。妊娠9週までの時期に赤ちゃんのからだの主要な器官が形成されますが、この時期に血糖コントロールが悪いと催奇形因子が作用し、先天異常の発生率が高まるといわれています。妊娠成立後から血糖コントロールを開始しても発症頻度は低下しないといわれているため、妊娠を考えている方は、HbA1c6.5%未満に保つことが重要です。また妊娠後に増悪する可能性の高い糖尿病網膜症や糖尿病性腎症がないかどうかを妊娠前に調べておくことも大切です。妊娠中の血糖コントロールは経口血糖降下薬ではなく、インスリン注射が基本となります。合併症の管理や、使用できる薬剤などを事前に医師へ相談しましょう。

 
G. 甲状腺機能障害
 甲状腺は首の前部、喉ぼとけのすぐ下にある臓器で、私たちのからだの発育を促進し、新陳代謝を盛んにする働きがあります。甲状腺ホルモンは卵胞の成長にも必要なホルモンで、十分な甲状腺ホルモンがないと卵胞は成長せず排卵が起こりません。甲状腺機能が亢進すると排卵までの期間が短くなりやすく、甲状腺機能が低下するとなかなか卵胞が成長せずに無排卵、無月経が生じやすくなります。
 甲状腺機能を示す指標に、TSHというホルモンの値があります。TSHが高ければ甲状腺機能が低く、TSHが低ければ甲状腺機能が高いことを示しますが、不妊症の患者さんではこのTSHの数値が高い傾向にあるといわれています。甲状腺機能の低下は流産、早産のリスクが高まることが指摘されています。
 甲状腺ホルモンは、赤ちゃんの脳神経系の発達に重要であり、赤ちゃんの甲状腺が機能していない妊娠初期は、お母さんの甲状腺ホルモンが胎盤を通じて赤ちゃんへ移行します。このため妊娠初期の甲状腺ホルモンは赤ちゃんの発育、特に精神、神経、知能にとても大切な働きをしています。そのため、妊娠前にスクリーニング検査で甲状腺機能検査を実施し、潜在性甲状腺機能低下症や甲状腺機能亢進症と診断された場合は、適切な管理が必要です。
 甲状腺の基礎疾患のある方は、普段のお食事からヨウ素の過剰摂取に気を付けましょう。甲状腺ホルモンはヨウ素を原材料として作られているため、ヨウ素を多く含む食品を取りすぎると症状が悪くなることがあります。昆布やわかめなどの海藻類、昆布加工品、昆布だしを含む風味調味料などにヨウ素が含まれているため、これらの摂取は控えることが望ましいといわれています。

 
H. 高血圧症
 妊娠中に起こる合併症のひとつに、「妊娠高血圧症候群」があります。妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降から分娩までの期間に高血圧、たんぱく尿、全身の臓器障害、子宮胎盤不全のいずれかを伴う場合をいいます。早発型と呼ばれる妊娠34週未満で発症した場合、重症化しやすく注意が必要です。重症になるとお母さんには血圧上昇、蛋白尿に加えてけいれん発作(子癇)や脳出血などを引き起こすことがあります。また赤ちゃんの発育が悪くなる(胎児発育不全)、胎盤が子宮の壁からはがれて赤ちゃんに酸素が届かなくなる(常位胎盤早期剥離)、赤ちゃんの状態が悪くなる(胎児機能不全)、場合によっては赤ちゃんが亡くなってしまう(胎児死亡)など、妊娠高血圧症候群ではお母さんと赤ちゃん共に大変危険な状態となることがあります。
 妊娠前にすでに高血圧がある人は、妊娠高血圧症候群になるリスクが高いといわれています。そのため、妊娠前から普段の自分の血圧を把握しておくことが大切です。妊娠中は使えない降圧薬もあるため、すでに高血圧で治療している方は、医師へ相談しましょう。

 
I. 喘息
 喘息がある方は、妊娠前にしっかりと喘息コントロールをすることが必要です。喘息がコントロールされていない場合、合併症の増加が知られており、とくに妊娠高血圧症候群や早産、低出生体重児の増加などが報告されています。妊娠中の喘息発作による低酸素血症は、胎児に影響を与え、合併症の要因ともなります。妊娠中に発作を起こさないよう、妊娠前に管理することが大切です。

 
J. 腎臓病
 お母さんのお腹の中で赤ちゃんが大きくなるにつれて、お母さんの血液量が増加し、腎臓に大きな負担がかかるようになります。腎臓病は、妊娠高血圧症候群や早産のリスクになることがあります。採血や採尿は、腎臓病の早期発見に適した検査です。

 
K. 膠原病・抗リン脂質抗体症候群
 膠原病や抗リン脂質抗体症候群は、抗体が自分のからだを攻撃してしまう自己免疫疾患のひとつで、習慣流産や胎児死亡の原因となることがあります。抗リン脂質抗体によって自己免疫に異常が起き、血のかたまりである血栓が作られやすくなります。妊娠中に、胎盤に血栓が作られると赤ちゃんへ栄養が運ばれなくなり、流産や死産を招く場合があります。

 
L. くすり
 持病があって薬を内服している方は、医師へ相談しましょう。妊娠に向けてその薬をどうするのか、継続可能か、妊娠前に変更すべきかを知っておくことが大切です。

 

【Ⅲ】定期的な健康診断の受診


M.婦人科・子宮頸がん
 最も多い性感染症に、クラミジア・トラコマティス感染症があります。女性では卵管炎や子宮頸管炎を起こし、不妊の原因になることも知られています。自覚症状に乏しいため、知らないうちにパートナーに感染が広がることもあります。
 また、子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)という感染症が原因であることが知られています。HPVは多くの場合性交渉によって感染し、性交渉経験のある女性の過半数は一生に一度は感染機会があるといわれています。しかし、HPVに感染してもほとんどは免疫の力でウイルスが自然に排除されますが、中には自然治癒せずに異形成と呼ばれる前がん病変を経て、数年以上をかけて子宮頸がんに進行する場合があります。子宮頸がんは妊娠中に発見される頻度が多いがんのひとつです。妊娠前に、子宮頸がんの検診を行いましょう。

 
N. 乳房チェック
 乳がんの早期発見のために、月1回のセルフチェックを習慣づけましょう。月経終了後4~5日目ころのタイミングで、乳房の形を鏡でチェックし、くぼみやひきつれがないか確認しましょう。自分の手でしこりがないか触ってみることも大切です。お風呂で石鹸を泡立てた手を使うと、滑りが良くなりわかりやすくなります。またセルフチェックと並行して、定期的に乳がん検診を受けることも大切です。特に乳がんにかかる人が増える30代後半~40代後半の人は、2年に1回は検診を受けることをお勧めします。
 妊娠中や授乳中は、乳房のサイズが増加することから、乳房のしこりを見つけることが難しくなるといわれています。そのため、乳がんがより進行した段階で発見されることがあります。妊娠前に一度乳がん検診を受けておくことをお勧めします。

 
O. ウイルス感染症
 母子感染とは、何らかの微生物(細菌やウイルスなど)がお母さんから赤ちゃんへ感染することをいい、赤ちゃんがおなかの中で感染することを胎内感染といいます。妊娠中、注意するべき胎内感染のひとつに風疹ウイルスがあります。風疹ウイルスに対する免疫が不十分なお母さんが妊娠初期に感染すると赤ちゃんにも感染し、難聴、心疾患、白内障、身体や精神の発達の遅れなどの症状をもって生まれてくる可能性があります。妊娠中に感染してしまうと、赤ちゃんへの感染を防ぐ有効な手段はなく、また感染後の治療も確立されていません。
 妊娠中は生ワクチンの接種が禁忌であること、予防接種後2か月は避妊が必要になるなどの風疹のワクチン接種には注意する点があります。妊娠前に風疹の抗体検査を受け、免疫がない場合は、ワクチン接種を行いましょう。また同居する家族やパートナーにも、抗体検査を受けてもらうようにしましょう。

 

【Ⅳ】ライフスタイルの評価と改善


P.基礎体温
 基礎体温とは、体温を変動させる要因が最も少ない起床時の体温を示します。朝目覚めた時、寝たままの状態で舌下に婦人体温計を入れ、口を閉じて計測します。
 女性のからだはホルモンの影響で周期的に体温が変化しています。基礎体温は、排卵後黄体からでるプロゲステロンが視床下部の体温調節に作用して0.3~0.5℃上昇するため、数か月記録を続けていると低温期と高温期を繰り返すことがわかります。この体温の変化で排卵の有無や排卵日の目安がつくようになるため、基礎体温のグラフ化はとても大切です。妊娠を考えたら、基礎体温をつけてみることをお勧めします。

 
Q. こころ
 忙しい現代人は、知らず知らずのうちにストレスを溜めてしまいがちです。ストレスは「妊活」にも悪い影響を与えてしまいます。適度な運動や趣味の時間を作り、気分転換を行いましょう。リラックスした状態で目を閉じて自分の呼吸に意識を向ける時間を一日数分作ることも、ストレス軽減や感情コントロールにお勧めです。

 
R. 運動
 血流の改善を目的とし、日頃から適度な運動を心がけましょう。運動によって全身の血液の循環がよくなると、卵巣の血流の滞りも解消されていきます。適度な運動の目安として「心拍数が上がること」を意識して行うと良いでしょう。特に下半身には大きな筋肉がたくさんあるため、スクワットや早歩きのウォーキングがおすすめです。日常生活では、なるべく階段を使用する、家事で床拭き掃除を行う、歯磨きを行いながら踵の上下運動など、普段の生活を変えることなく、身体の動かし方で血流アップをはかると良いでしょう。身体がぽかぽかしてくる感覚が血流改善の目安になります。無理なく行うことで習慣化されやすくなり、長く続けることができます。

 
S. パートナー
 女性と同じように、パートナーも血液検査や風疹抗体検査などの基本検査を行い、男女ともに妊娠できる状態であるのかを知っておくことが大切です。食事や運動などのライフスタイル、禁煙などの生活習慣の改善は、パートナーも同時に準備することができます。

 

【Ⅴ】禁煙とアルコールを節制


T.たばこ
 たばこの煙にはニコチン、一酸化窒素、シアン化合物、鉛などが含まれており、胎児毒性とともに、血管収縮作用があります。妊娠中の喫煙によって赤ちゃんの発育遅延がおこることが知られています。また流産や早産、前置胎盤、胎盤早期剥離などの異常が増加することも報告されています。喫煙は男女ともに不妊の原因となることも知られています。妊娠を考えたら、たばこはやめましょう。パートナーが吸っているたばこの煙に接すること(受動喫煙)も同様、赤ちゃんに影響します。パートナーにも禁煙を心がけてもらいましょう。

 
U. アルコール
 妊娠中のアルコール摂取も、たばこと同様、赤ちゃんに影響を与えます。顔面の奇形や小頭症などの奇形が生じたり、低身長、低体重といった成長障害や、注意欠陥、多動症などの中枢神経障害、流産や死産といった報告がされています。妊娠中のアルコール摂取量に関しては安全量が確立されていません。妊娠を考えたら飲酒は控えるようにしましょう。

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