婦人科外来

婦人科外来では、子宮頸がん検査を含む、子宮や卵巣の良性・悪性腫瘍の検査、子宮筋腫や子宮内膜症などの診断と治療を行います。また生理不順、無月経、不正出血などの月経異常や月経困難症などの診断と治療も行います。
 

思春期や更年期に起こりやすい月経異常や、更年期障害の症状に対しては、それぞれの症状にあわせた対処療法に加え、漢方療法やホルモン療法などにより症状の改善していくように治療を進めております。
 
クラミジアや淋病などの性行為感染症の診断と治療、経口避妊薬、子宮内避妊具のご相談に応じます。また、緊急避妊薬の処方とその処置も行っております。早めにご相談ください。
 
外来で対応できる小手術としては、子宮頸管ポリープ切除術、バルトリン腺膿瘍穿刺・開窓術、膣壁および肛門尖圭コンジローム切除術、皮膚腫瘍切除術などを行なっております。子宮内膜ポリープ切除術や流産手術は麻酔が必要となりますので、1日の入院と手術室での対応となります。
 

【月経異常】
月経は、排卵が起きた後に妊娠にいたらなかった場合、卵巣から出ていた黄体ホルモンと卵胞ホルモンが減少し、子宮の内側を覆っている子宮内膜が血液とともに子宮外に排出されるため起き、消退出血とも言います。
月経周期とは、月経の第1日目から次の月経の前日までの日数のことで、正常月経範囲は25-38日、卵胞期(月経初日-排卵日):12-24日、黄体期(排卵日-月経末日):11-14日、出血持続日数:3-7日。初経は10-14歳、閉経は43-54歳が正常範囲です。
これらに当てはまらない場合を月経異常と言い、25日未満で出血が反復する場合を頻発月経、月経周期が39日以上3か月以内のものを希発月経、月経周期や月経血量、月経期間からみて月経とは異なる出血である場合を機能性子宮出血といいます。
頻発月経は、初経から間もない時期や閉経前に見られ、排卵の有無により卵胞期の短縮、黄体期の短縮(黄体機能不全)、および無排卵周期症などがあります。希発月経は、無排卵周期症や卵胞の成熟が遅れることで卵胞期が長くなってしまうことが原因です。また14歳以降になっても初経がない場合を原発性無月経、43歳以前に閉経となってしまう場合を早発閉経と言い、卵巣本体や卵巣に指令を送る脳下垂体の機能に問題がある場合、子宮卵巣に形態的な問題がある場合などが考えられます。
 
月経周期には、脳の視床下部から分泌されるGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)、脳下垂体から分泌されるLH(黄体化ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)と、卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)などのホルモンが関与します。システムを制御する上で、あらかじめ設定された目標値に対しそのずれを検出して、目標値に近付けるように制御し、安定を図る仕組みを「フィードバック機構」と呼びますが、これらのホルモン分泌は体の状態を一定に保つ(恒常性維持)ために、「視床下部-脳下垂体-卵巣系」の枠組みの中で、正と負のフィードバック機構により巧妙にコントロールされています。
月経異常は、この視床下部-脳下垂体-卵巣系において、内部および外部からの影響でそれぞれの組織の働きに不具合が生じ、ホルモン分泌が正常に行われなくなることで起こります。例えばダイエットを行う若い女性に多い「体重減少性無月経」は、体重の急速かつ大幅な減少が視床下部の機能に影響を与えていることが推察されています。またストレスや精神的な悩み、不規則な生活、糖尿病や甲状腺疾患などの病気が原因になることもあります。
 
月経異常の原因検索のためには、まず視床下部-脳下垂体-卵巣系のホルモンである、LH、FSH、エストロゲン、プロゲステロンなどのホルモン測定を行います。これらのホルモンは月経周期の中で変化しながら分泌されますので、検査を行う時期が重要です。LHとFSHは月経7日目までの初期値として、エストロゲンは月経7日目までの初期値と排卵時に卵胞期のピーク値として、プロゲステロンは排卵後7日目頃の黄体期のピーク値として評価を行います。視床下部から放出されるゴナドトロピン放出ホルモンは、抹消血液中では濃度が非常に低く、血中濃度測定を行うことはできません。
これらのホルモンに分泌異常が発見された場合、原因が視床下部、脳下垂体、卵巣のどの部位にあるかを知るために負荷試験(LH-RHテスト)を行う場合があります。ゴナドトロピン放出ホルモンを注射し、時間毎のLHとFSHの分泌反応性を評価します。また視床下部-脳下垂体-卵巣系のホルモンに影響を与えるホルモンとして、甲状腺機能検査(TSH:甲状腺刺激ホルモン・FT3・FT4)やプロラクチン(乳汁漏出ホルモン)、HOMA指数(インスリン抵抗性)があり、これらの評価と必要に応じTRHテストなどの負荷試験を行う場合もあります。
 

【子宮頸がん】
子宮頸がんは、子宮の入り口の子宮頸部とよばれる部分から発生し、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルス感染によって起こります。このウイルスは性交渉で感染するありふれたウイルスです。HPVには100種類ほどの種類があり、それぞれに番号で識別されています。子宮頸がんの原因となり得るHPVは「ハイリスクHPV」とも言われ、約10種類ほど知られており、16型と18型で約70%を占めています。90%以上の女性が一生に一度はHPVに感染するといわれていますが、多くの場合は症状のないまま自然に排除されると考えられています。しかしHPVの持続的な感染が続くと、一部に異形成と呼ばれる前がん病変や子宮頸がんが発生すると考えられています。
 
子宮頸がんは近年増加傾向にあり、特に20代半ばから増え始め、50歳くらいまでの、妊娠・出産適齢期や子育て世代の女性に多いがんです。婦人科の診察で観察や検査がしやすいため、発見されやすいがんです。早期に発見すれば妊孕性(妊娠する機能を保つこと)が温存され、完治するがんでもありますが、近年罹患率の上昇が懸念されております。
 


 
子宮頸がん検査は「細胞診」という方法でスクリーニング検査が行われます。子宮頸部の細胞を肉眼で確認しながらへら・ブラシでこすりとり、スライドガラスに塗抹・固定が行われます。その後検査機関で染色され、細胞検査士と病理専門医師が、顕微鏡で異常な形の細胞がないかどうかのスクリーニングを行い、判定が下されます。細胞の変化はベセスダシステムという分類によってカテゴリー分類され報告されます。 ベセスダシステムによる評価には、主に、NILM(異常なし)、ASC-US(軽度異常の疑い)、ASC-H(高度異常の疑い)LSIL(軽度異常)HSIL(高度異常)などがあります。NILM以外の結果は全て異常所見であり、精密検査が必要となります。精密検査にはHPV検査、コルポスコピー検査、組織診があります。HPV検査は、子宮頸がんを引き起こす可能性のあるハイリスクHPVに陽性であるかどうかを判定するための検査です。 コルポスコピー検査とは、子宮頸部をコルポスコープと呼ばれる特殊な顕微鏡で、子宮頸部を拡大し観察する検査です。コルポスコープ検査により、子宮頸部に疑われる病変の程度と広がりを確認し、最も疑われる病変の生検を行うための検査である組織診を行います。

 
【子宮筋腫】
子宮筋腫とは子宮にできる良性腫瘍で、30歳以上の女性の20-30%にみられます。子宮筋腫は卵巣から分泌されるエストロゲンの刺激と、子宮の血流によって大きくなります。発生する場所によって、子宮全面を包む漿膜の直下で発育する漿膜下筋腫、子宮筋層内で発育する筋層内筋腫、子宮内膜の直下に発育する子宮粘膜下筋腫に分けられます。

 

子宮筋腫の主な症状は、過多月経、月経困難症、不正出血などがあります。大きくなると、骨盤底や膀胱の圧迫による腰痛症や頻尿などの症状が発生する場合があります。漿膜下筋腫では大きくても症状がない場合がありますが、筋層内筋腫や子宮粘膜下筋腫では、小さくても症状が強くなる場合があります。妊娠を希望される方の場合、子宮筋腫が不妊症や切迫流早産の原因となる場合もあります。

 
子宮筋腫は婦人科診察と超音波検査で診断します。大きな筋腫や手術療法を検討する場合、内科的治療の治療効果判定を行う場合にMRI検査をすることもあります。大きな子宮筋腫は、悪性の子宮肉腫との区別難しいことがあり、MRI検査や大きさ、年齢、発育速度などで判断します。また子宮粘膜下筋腫では子宮鏡検査を行う場合もあります。子宮鏡とは直径3mm程度のファイバースコープで、経膣的に子宮内腔を観察します。超音波検査やMRI検査と合わせて行うことで、子宮粘膜下筋腫の正確な大きさや数、位置などを知ることができます。
 

治療には手術療法と薬物療法などがあります。手術療法には、子宮筋腫だけを切除する子宮筋腫核出術と、子宮を含めて摘出する子宮全摘術があります。閉経前であれば、原則卵巣の摘出は行いませんので、子宮全摘出術後に卵巣ホルモン欠落症状が出ることはありません。手術の方法としては、開腹術と腹腔鏡下手術があります。腹腔鏡下手術は傷が小さくて済むので、出血量が少なく体への負担が軽くて済みます。入院期間も開腹手術よりも短くなるなどのメリットもありますが、過去に開腹手術の既往があったり、サイズの大きい筋腫や多発性筋腫、筋腫の位置によっては腹腔鏡手術の選択ができない場合もあります。妊娠を希望される方の場合、手術療法を行なった場合、大きさや場所によっては、分娩方法が帝王切開となる場合もあります。
 

特殊な治療方法として、子宮鏡下手術や子宮動脈塞栓術という方法もあります。子宮鏡下手術とは、子宮鏡検査で使用される軟性鏡とは違い、それよりやや太い硬性鏡のファイバースコープを使用します。電気メスを併用することができ、経膣的に子宮粘膜下筋腫をモニターで確認しながら切除することができます。腹腔鏡手術よりもさらに負担が軽いメリットがありますが、特別な技術が必要であり、実施できる施設が限られています。子宮動脈塞栓術とは、子宮動脈の血流をカテーテルを用いて塞栓物質で人工的に塞ぐことで、腫瘍への栄養供給を止める治療法です。子宮筋腫による臨床症状があり、対症療法では改善が見込めない、閉経前である、妊娠していない、将来妊娠を希望しない、外科的療法を希望しない、外科的治療では合併症の確率が高い、子宮がん検診で悪性の腫瘍が見つかっていない、などの条件を満たす必要があります。
 

【更年期症候群】
初経開始以降、妊娠、出産、閉経と、女性のライフスタイルは女性ホルモン(エストロゲン)の変化に大きく影響を受けます。女性ホルモンは、初経の頃から分泌が増え始め、20歳代から30歳代に分泌のピークを迎えます。そして40歳を過ぎると徐々に減少が始まり、45歳頃から55歳頃に急激に低下します。閉経をはさんで10年位を更年期といいます。更年期症状とは、順調に分泌されていた女性ホルモンの分泌が急速に低下してしまうことで、身体自身がその変化に適応できずに引き起こされる症状で、「女性ホルモン欠落症状」ともいわれます。
 

更年期症状には「身体的症状」と「精神的症状」があります。「身体的症状」は、ほてりやのぼせ、動悸、発汗、肩こり、腰や手足の冷え・関節痛、目の疲れ、耳鳴り、膀胱炎症状など、「精神的症状」は、不眠、イライラ、不安感、抑うつ気分、無気力、めまい、頭痛などです。このように更年期症状は様々な症状が混在して発症する、不定愁訴が特徴的です。また更年期症状は、個人の女性ホルモンの減少の程度や、その人の性格、とりまく社会や文化の影響を受け、症状の程度も人によって大きく差があります。夫の定年、親の介護、子供の進学、就職、結婚など家庭環境が大きく変わりやすいのもこの年代です。更年期症状をほとんど感じることなく更年期を過ごす人も入れば、いくつかの症状が重なって、日常生活や仕事にまで影響の出る人もいます。
 

更年期障害の治療には、①漢方療法、②ホルモン補充療法、③補完代替医療があります。漢方療法では、頭痛、肩こり、ほてりなどの個別の症状を、漢方に含まれる生薬の成分で改善させることができます。更年期症状に効果のある漢方薬はたくさんあり、軽度の更年期症状であればとても良い効果が得られる場合があります。しかしこれらの治療でも効果が得られない場合はホルモン補充療法が選ばれます。
 

ホルモン補充療法は、主にエストロゲンという女性ホルモンを補充することで更年期症状を改善させる治療です。長期的に使用することで子宮内膜への影響がありますので、子宮のある方は必ずプロゲステロンという女性ホルモンも一緒に使用します。治療効果や効果の現れる期間は症状や程度によって様々ですが、ほてり、発汗、冷え、動悸などの自律神経症状は2週間位で比較的早く効果が現れ、不眠、イライラ、抑うつ気分などの精神神経症状の治療効果は個人差があります。内服薬が一般的ですが、最近では貼付剤や塗布剤もあり、その人のライフスタイルに応じて使い分けることができます。
 

漢方療法やホルモン補充療法に加え、最近では補完代替医療として大豆イソフラボンや動物胎盤抽出物、ブドウ種子ポリフェノール等によりほてりを含む更年期症状が改善すると言われています。大豆イソフラボンの一種ダイゼインの腸内細菌分解産物であるS-エクオールにはエストロゲン作用、抗酸化作用、抗エストロゲン作用、抗アンドロゲン作用があり更年期女性の健康維持について良い効果が期待されています。エクオールはエストロゲン受容体に入ることでエストロゲンに似た働きをし、更年期症状の改善や骨粗鬆症の予防と改善に効果があります。一方でエクオールは過剰なエストロゲン作用を弱め、過剰なアンドロゲン(男性ホルモン)作用をブロックするなどの働きもあり、乳がんリスクを下げる可能性や脱毛の改善に効果が期待されています。
 

豆腐や豆乳、納豆などの大豆製品を摂取し、体内の腸内細菌の働きでエクオールは作られます。しかし食環境の西洋化に伴いエクオール産生菌をもつ人の割合が日本人では56%といわれており、またエクオールを作り出せる人でも食生活や体調により腸内環境が変化し産生できなくなる場合があります。エクオール検査を行い、エクオールを体内で作れないと分かった場合は、サプリメントとして摂取することも可能です。当院ではエクオール検査とエクオールサプリメントの指導を行なっております。
 

【骨粗鬆症】
大根やごぼう、すいかなどの野菜・果実類で「鬆(す)ができる」と言うことがあります。これは組織が外側に向かって成長し過ぎることで内部が割れ、空間が出来てしまった状態です。骨粗鬆症とは骨の中に海綿状に小さな空間「鬆」が多発し骨がもろくなる病気で、日常生活程度の負荷でも骨折をしやすくなります。骨折による痛みや障害はもちろん、大腿骨や股関節の骨折はいわゆる高齢者の要介護状態につながり、生活の質(QOL)を著しく低下させる原因の一つに挙げられています。
 

骨は常に骨芽細胞(新しい骨を作る細胞)と破骨細胞(古くなった骨を破壊吸収する細胞)によって骨の形成と吸収がバランスよく行われ、一定の量を保っています。しかし女性の場合、更年期・閉経期以降に性ホルモンであるエストロゲン量が急速に低下するため、男性よりも骨粗鬆症へと進みやすいと言われています。エストロゲンには骨芽細胞の活動を高める作用があるのと、女性は男性に比べてもともと骨量が少ないためです。また、妊娠に伴い骨粗鬆症が発生することもあり、これは母体のカルシウムが胎児に移行してしまうことが原因と言われています。厚生労働省などによると、骨粗鬆症は高齢女性を中心に年々増加しており、自覚症状のない方を含めると780万-1100万人の患者がいると推計されています。患者の8割は女性で、60代女性の3人に1人、70代女性の2人に1人が患者になっている可能性があると報告されています。
 

骨粗鬆症の治療の目的は骨折の予防であり、そのためには骨粗鬆症の早期発見が重要です。「骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン」では、全ての65歳以上の女性に対し骨密度測定を推奨しています。骨密度の評価にはX線を用いる方法と超音波を用いる方法があります。X線を用いる方法は、二重エネルギーX線吸収測定法と呼ばれています。椎骨や手足の末梢骨に2種類のエネルギーのX線を測定部位に当てることにより、骨成分を他の組織と区別して骨密度を直接測定する方法です。超音波を用いる方法は踵骨定量的超音波測定法と呼ばれ、踵(かかと)の骨に超音波を当てその骨内を伝搬する超音波の減衰や速度を計測し骨密度を推定する方法です。当院では踵骨定量的超音波測定法による骨粗鬆症の診断を行なっています。この方法は骨密度を直接評価してはいませんが、骨折リスクを予測することができ、放射線を使用しない利点があります。骨密度測定値はYAM比(若年成人女性平均値との比)として評価されます。YAM比が70%未満のときに骨粗鬆症と診断され、70%以上80%未満では「骨量減少症」と診断されます。
 

骨粗鬆症は日常の生活で骨折を起こしやすく、そのためにQOLの低下を引き起こし、要介護状態になってしまう高齢者の方々が存在します。「骨粗鬆症の治療と予防のガイドライン」によれば、骨粗鬆症の予防には、①適正体重の維持、②適切な運動と栄養、③喫煙と過度のアルコール摂取を避ける、という3点が推奨されています。過度の肥満ややせの方は日常生活の食事内容を見直す必要があります。目安はご自分の18歳から20歳頃の体重と言われています。椎骨や大腿骨など体の大きな骨に対する運動刺激は、骨代謝を活性化し骨粗鬆症の予防になります。栄養の点では、1日当たりの栄養素の摂取として、食品からカルシウム700-800mg、ビタミンD 10-20μg、ビタミンK 250-300μgが必要で、これらは骨の形成過程で重要な材料となります。喫煙や過度のアルコール摂取は骨折の危険因子として証明されています。
 

【月経時片頭痛】
頭の片側で、心臓の拍動に合わせてズキンズキンと脈打つような頭痛発作で、定期的に表れる慢性頭痛のことを「片頭痛」と言います。時には強い吐き気や嘔吐を伴う場合もあります。片頭痛を経験する女性は男性の数倍にも上り、20歳から40歳までの女性の有病率は20%といわれています。片頭痛が女性に多い理由として女性ホルモンとの関係が指摘されています。
 

片頭痛がなぜ起こるかは、まだはっきりとは分かっておりません。何らかの刺激で脳血管が拡張、炎症が引き起こされ、その刺激による興奮が脳に伝えられて頭痛や吐き気、嘔吐などを引き起こしていると考えられています。片頭痛を引き起こす要因として、ストレスや緊張、疲労、睡眠不足など精神的なもの、天気や温度差、気圧など環境的なもの、アルコールやチョコレートなど食事性のものに加えて、月経周期も大きな要因となります。
 

月経周期に伴うエストロゲンの分泌量の変化と、血管収縮作用のあるセロトニンという脳内物質の量の変動とが月経時片頭痛と関係しているようです。エストロゲンにはセロトニン合成作用があります。月経前にはエストロゲンの血中濃度が下がり、同時にセロトニンの濃度も低下し、結果としてセロトニンの血管収縮作用が低下、脳血管の拡張から片頭痛を引き起こすと考えられています。
 

月経時片頭痛は月経数日前から月経中にかけて起こることが多く、ほかの時期に起こる片頭痛よりも持続期間が長く、薬が効きにくいことが特徴です。このような持続時間の長い片頭痛に関しては、月経開始1週間前から予防的に鎮痛剤を内服する方法も効果的といわれています。漢方薬との併用や、セロトニンの作用を補助する薬の効果も期待できます。またアミノ酸の一部や、ビタミンC、ビタミンB群、カルシウム、マグネシウム、鉄などはセロトニンを合成する材料となりますので、栄養指導によって症状が改善する場合もあります。

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